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「待つだけ」の待ち時間は、どれだけ延びることがありますか?

安定重視の資産形成公開:2026-09-20最終更新:2026-09-20文:保

※本記事には広告(PR)を含みます。

本記事は2026年9月時点の公表情報をもとにした情報提供を目的とする内容で、特定の商品の購入を勧誘するものではありません。融資型クラウドファンディングは元本が保証されず、貸付先の状況により分配の遅延や元本の毀損が生じる可能性があります。実績平均利回りは過去に運用終了したファンドの数値であり、将来の運用成果を保証するものではありません。最新の内容は各社の公式情報をご確認のうえ、最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。

結論から言うと、融資型クラウドファンディングの「実績平均利回り」には、償還が遅延しているファンドが含まれていません。これは隠された情報ではなく、事業者が注記としてはっきり書いていることです。値段が動かない代わりに、待つ時間が延びることがある——その延び方が実際にどれくらいなのかを、クラウドバンクが公開している記録から確認します。

「待つだけ」と書かれているのは、どういう意味ですか?

融資型のクラウドファンディングは、投資家から集めた資金を事業者が企業へ貸し付け、その利息を分配として受け取る仕組みです。公式の説明は「『融資』による資産運用なので、『毎月支払われる利息』からの分配によって着実に資産を育む体験を楽しめます」。株式のように日々の値段が動かないので、画面を見続ける必要がありません。

老後資金の文脈では、この「値段が動かない」性質が扱いやすく見えます。ただし動かないのは表示される価格であって、貸した相手の返済能力ではありません。ここを分けて読むことが、この記事の主題です。

実績の平均利回りは、何を数えた数字ですか?

トップに出ているのは実績平均利回り6.35%と累計応募総額3,337億円です。注記まで読むと数え方が分かります。

利回りの注記は「2026年3月末までの1年間に運用終了した税引前のファンド実績値」から始まります。3年間で区切った場合の数値も併記されており、そちらは6.04%。そして注記はこう続きます。「将来の運用成果を保証するものではなく、運用中のファンドや償還が遅延しているファンドは含まれておりません」。応募総額のほうには「2026年9月現在の累計応募金額」と添えられました。

表示数え方(公式の注記)
実績平均利回り 6.35%2026年3月末までの1年間に運用終了した税引前の実績値
(同)6.04%2026年3月末までの3年間に運用終了した税引前の実績値
累計応募総額 3,337億円2026年9月現在の累計応募金額
いずれも共通運用中のファンドと、償還が遅延しているファンドは含まない

1年で切ると6.35%、3年で切ると6.04%。期間の取り方で数字が変わるのは平均の性質なので、それ自体は不自然ではありません。注目したいのは最後の1行です。償還が遅延しているファンドは、この平均に入っていないと書かれています。

遅延しているファンドは、実際にあるのですか?

あります。しかも事業者自身が、専用のお知らせページで継続的に開示していました。

そのページは2023年5月8日に掲載され、そこから追記が重ねられています。更新履歴に並ぶ日付を重複を除いて数えると、初回掲載1回に対して追記が42回。最新は2026年8月31日で、3年を超えて続いている案件だということが、日付の並びだけで分かります。

直近の2026年8月31日の追記には、こう書かれています。「8月17日、裁判所の和解勧試のもと、連帯保証人との間で和解に関する協議を行いました。同期日において連帯保証人側から示された内容は、営業者として受諾し得るものではなく、合意には至っておりません」。そして「当初9月3日に予定されておりました判決言渡期日は、11月5日に変更となりました」。

報告の頻度も明示されています。「目立った進捗等がない場合におきましても、毎月の分配・償還日(原則毎月第5営業日)の前後を目途に状況をご報告させていただきます」。

これは事業者を避ける理由になりますか?

そうは考えていません。むしろ順序が逆で、遅延が起きたことを3年以上ページに残し、毎月の報告頻度まで約束して開示しているという事実のほうを、判断材料として扱うべきだと思います。開示があるから確認できるのであって、開示が無い状態のほうが怖い。

読み取るべきなのは、融資型で返済が滞ると、回収は法的手続きの時間軸で進むということです。裁判所の期日が2か月先に動く、という粒度の話になります。「待つだけ」の待ち時間は、募集時に提示された運用期間とは別の長さになり得ます。

信託保全があれば、元本は守られるのですか?

守られません。ここは言葉の範囲を正確に押さえておきたいところです。

事業者は2025年4月17日に信託保全の開始を告知しています。「法令等の改正に伴い、2025年4月23日よりお客様の預り金(未投資額)を日証金信託銀行にて信託保全することといたしました」。効果についても「万が一当社に法的倒産手続が開始された場合でも、預託しているお客様の資産は、受益者代理人を通じてお客様に返還されることとなります」と説明されています。

ただし、対象は預り金(未投資額)です。同じお知らせの注意事項には「信託保全は、出資元本の返還を保証するものではありません」と明記されています。さらに「預かり金が実際に信託されるまでには時間差があるため、当該事由等によって必要な金銭が信託されていなかった場合には、当該資金の全額が返還されない可能性があります」とも書かれています。

整理すると、信託保全が備えているのは事業者が倒れた場合の、まだ投資していないお金です。ファンドに出資したあとの元本や、貸付先が返せなくなったときの回収は、この仕組みの外側にあります。前の節で見た遅延は、まさに外側で起きている話でした。

運営は日本クラウド証券株式会社、第一種・第二種金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第115号。日本証券業協会 加入(一般社団法人第二種金融商品取引業協会は未加入)という記載もあわせて確認できます。

老後資金に組み込むなら、何を決めておきますか?

年金の受け取り設計と同じで、ここも時期で考えると整理できます。

決めること考え方
使う時期運用期間どおりに戻る前提で予定を組まない。遅れても生活が回る位置に置く
置く金額1万円から投資できるが、戻りが数年ずれても困らない額が上限
分ける先1本に寄せない。遅延は個別の貸付先で起きる
確認する場所募集ページの利回りだけでなく、お知らせ欄を先に開く

生活防衛資金や、受け取り時期が決まっている教育費のようなお金とは切り分ける。ここは融資型に限らず、満期のある商品に共通する線引きです。

クラウドバンク

始める前に見ておく順番はありますか?

  1. お知らせ欄で、遅延や償還に関する掲載があるかを先に見る
  2. 平均利回りの注記で、集計期間と母集団を確認する
  3. 個別ファンドの想定利回り・運用期間・貸付先・担保の有無を読む
  4. 口座開設をして、まず少額で分配と償還の流れを一度通す

当ブログでは証券会社が運営する融資型という仕組みそのものも別記事で扱っています。運営主体の登録区分から先に確認したい方は、あわせてご覧ください。

保
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自分年金2000万、安定構築プラン 編集部

公的年金に上乗せする「自分年金」の安定構築をテーマに、制度と運用をやさしく解説しています。数値は執筆時点の公式情報に基づき、最終的な判断はご自身の責任でお願いします。運営者情報はこちら

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