RETIREMENT BASICS / 確定拠出年金の運用商品
確定拠出年金の商品は3本以上35本以下|選べる範囲は誰が決める?
本記事は2026年10月4日時点の厚生労働省・資産運用業協会の公表情報をもとにした情報提供を目的とする内容で、特定の金融機関や商品の利用を勧誘するものではありません。拠出限度額や受給開始年齢は加入している制度や加入期間によって異なります。投資信託などの運用商品は元本が保証されず、運用成果によって将来の受取額が掛金の合計を下回ることがあります。最新の内容は厚生労働省・国民年金基金連合会などの一次情報をご確認のうえ、最終的な判断はご自身の責任でお願いします。
先に結論を置きます。iDeCoや企業型DCで選べる運用商品の本数は、3本以上35本以下と決まっています。厚生労働省の制度概要が「運営管理機関は、必ず3以上35以下の商品を選択肢として選定し、加入者等に提示することとなっています」と書いている通りです。商品を選ぶのは加入者でも、棚に並べるのは運営管理機関。自分年金を組み立てるなら、商品名より先に「どの窓口の棚か」を見る必要があります。

運用商品は何本まで並べられるのですか?
多くて35本、少なくとも3本です。並ぶ商品の種類は、投資信託・保険商品・預貯金など。加入者はその中から複数を選んで組み合わせることができ、運用の途中で商品を変更することもできます。
下限の3本にも意味があります。1本や2本では分散のしようがないので、最低限の選択肢を制度として確保しているわけです。上限の35本は、その逆側の歯止めです。
棚を作るのは運営管理機関、選ぶのは加入者です
同じ確定拠出年金でも、企業型DCとiDeCoでは「棚を選べるかどうか」が違います。厚生労働省の制度概要を、自分年金に関係する欄だけ抜き出します。
| 項目 | 企業型DC | iDeCo |
|---|---|---|
| 実施主体 | 企業型年金規約の承認を受けた事業主 | 国民年金基金連合会 |
| 掛金を出す人 | 事業主(規約に定めれば加入者も可=マッチング拠出) | 加入者(iDeCo+を使えば事業主も可) |
| 会社員の拠出限度額 | 月55,000円から他制度掛金相当額を控除した額 | 企業年金なし月23,000円/あり月20,000円 |
| 商品の棚を選べるか | 選べない(会社が契約した運営管理機関) | 選べる(加入する金融機関を選ぶ) |
自営業者など国民年金第1号被保険者のiDeCoは月68,000円、専業主婦(主夫)など第3号被保険者は月23,000円が上限です。企業型DCの加入者は、勤め先が選んだ35本以下の棚から選ぶしかありません。iDeCoは違います。どの金融機関で加入するかを自分で決めるので、窓口選びがそのまま棚選びになります。

35本という上限は、多いのですか?
市場全体と比べると、かなり絞られた数です。資産運用業協会「数字で見る投資信託」(2026年9月11日)によれば、2026年8月末の公募投資信託は5,840本。35本はその0.6%に当たります。しかも35本には預貯金や保険商品も含まれるので、投資信託の枠はさらに少なくなります。
確定拠出年金の中で、投資信託の比重はすでに大きくなっています。同じ資料が企業年金連合会の統計として載せている2025年3月末の資産総額は23兆8,201億円、そのうち投資信託等が16兆4,790億円で、割合にすると約69%です。加入者数は企業型が862万582人(2025年3月末)、iDeCoが403万6,943人(2026年7月末)でした。
これだけの人数とお金が、それぞれ35本以下の棚から選ばれている。棚の中身の差は、そのまま長期の受取額の差になって出てきます。
受け取れるのは何歳からですか?
原則60歳です。ただし60歳の時点で通算加入者等期間が10年に満たない場合は、支給開始年齢が段階的に後ろへずれます。厚生労働省の制度概要にある区分は次の通りです。
| 60歳時点の通算加入者等期間 | 受給できる年齢 |
|---|---|
| 10年以上 | 60歳 |
| 8年以上10年未満 | 61歳 |
| 6年以上8年未満 | 62歳 |
| 4年以上6年未満 | 63歳 |
| 2年以上4年未満 | 64歳 |
| 1か月以上2年未満 | 65歳 |
60歳以降に初めて加入した場合は、加入した日から5年を過ぎると受給できます。老齢給付金は5年以上20年以下の有期年金か終身年金で、規約の定めにより一時金も選べます。
掛金の積み上がりを数字にしておきます。会社員で企業年金がない人が月23,000円を拠出すると、年276,000円。50歳から10年なら276万円、45歳から15年なら414万円です。これは掛金の元本だけの合計で、運用の結果によって受取額は上下し、掛金の合計を下回ることもあるのが確定拠出年金です。

加入する前に、棚の中身を確かめられますか?
確かめられます。iDeCoを扱う金融機関は、それぞれ運用商品の一覧と信託報酬を公開しています。加入してから棚を見るのでは遅いので、申し込みの前に2〜3社の一覧を並べて読みます。
- 商品の本数を数える。3本に近い棚と35本に近い棚では、選択の幅がまるで違う
- 投資信託のうち、指数に連動する低コストの商品がいくつあるかを見る
- 元本確保型(預貯金・保険商品)が何本あるかを見る。60歳が近い人ほど使う場面が増える
- 口座管理の手数料を確かめる。金融機関によって上乗せの有無が違う
手数料の仕組みはiDeCoの手数料はいくら上がる?120円への改定で、iDeCoと新NISAの組み合わせ方は「自分年金」の作り方とは?で扱いました。棚を比べた後に読むと、どこに何を置くかが決めやすくなります。
企業型DCの人は、どうすればいいですか?
棚は選べませんが、棚の中の配分は選べます。まず会社から配られる商品一覧を開き、何本並んでいるか、指数連動の商品がどれかを確かめる。そのうえで、足りない部分を新NISAなど自分で選べる口座で補う、という分担が現実的です。
なお、年金の受給額や受給開始時期は生年月日と加入歴で変わります。公的年金の個別の見込みは日本年金機構の一次情報またはねんきんネットで、確定拠出年金の資産額は各自の記録関連運営管理機関の加入者サイトでご確認ください。

よくある質問
- Q. 確定拠出年金の運用商品は何本まで選べますか?
- 3本以上35本以下で、運営管理機関が選んで提示する決まりです。加入者はその中から複数を選んで組み合わせられ、運用の途中で変更することもできます。
- Q. iDeCoと企業型DCで、商品の選び方は違いますか?
- 企業型DCは会社が契約した運営管理機関の一覧から選びます。iDeCoは加入する金融機関を自分で選ぶので、どの金融機関にするかで選べる商品の一覧が変わります。
- Q. 確定拠出年金はいつから受け取れますか?
- 原則60歳からです。60歳時点の通算加入者等期間が10年未満の場合は、期間に応じて61歳から65歳へ受給開始が後ろにずれます。60歳以降に初めて加入した場合は加入から5年経過後です。
- Q. 会社員のiDeCoの掛金は月いくらまでですか?
- 企業年金がない会社員は月23,000円、企業年金がある会社員は月20,000円が上限です。企業年金がある場合は、企業型DCの事業主掛金額などとの合計が月55,000円の範囲内という条件もあります。